桶谷式母乳育児Q&A(よくあるご質問と回答)For your help

お問い合わせの多いお悩みをご紹介します。
個人個人で違うことも多くあります。
困ったことや解決できないことはお近くの相談室で来室の上、おっぱいの状態、赤ちゃんの状態、授乳の状態をみてもらい、ご相談ください。

  • A.前編からの続き

    4 発熱・頭痛

    発熱や痛みに対しては、授乳中でも解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェン等)などが服用できると言われています。また、発熱時には、水分を十分に摂取することをお勧めします。


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    腕の腫れ・かゆみ・痛み

    接種した腕のかゆみや痛み、腫れや熱感、赤みには、冷やすと楽になるようです。市販の抗ヒスタミン剤やステロイドの外用薬(軟膏等)の使用は、授乳中も可能で症状が軽くなります。


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    受診の目安

    症状が強かったり、高熱が長引くなどがあれば、医療機関等への受診や相談をご検討ください。また、授乳に関して不安のある場合は、お近くの桶谷式母乳相談室にご相談ください。
    授乳が困難な場合は、搾乳しておきましょう。また、授乳に関してお母さんの体調が優れない時や授乳を数日お休みした後は一時的に母乳の分泌量が減ることもありますが、ほとんどの場合は体調の回復後に、頻回授乳を行うことで、母乳の出も復活します。

    7 最後に

    ワクチンは高い発症予防効果が確認されていますが、その効果は100%ではありません。また、ウイルスの変異による影響もありえます。ワクチンを接種した後も、マスクの着用など、感染予防対策の継続をお勧めします。

    https://www.mhlw.go.jp/content/000830259.pdf

  • 授乳中に新型コロナワクチンを接種した後、脇にしこりができたので、乳がんなのではないかと心配しておられるのですね。

    厚労省のサイトによると、ワクチン接種後、2%の方に接種した側の首や腋窩(わきの)リンパが腫れるという副作用があるようです。

    時間の経過とともに自然に治ると言われています。

    日本乳癌検診学会によると、乳がん検診はワクチン接種前に受けるか、ワクチン2回目接種後6-10週間あけると良いと言っていますし、アメリカのブレスト・イメージング学会は4-6週間あけることが望ましいとしています。

    ワクチン接種後に検診を受ける場合は、リンパ節が腫れている原因について誤った判定がなされないよう、いつ、どちらの腕にワクチン接種を受けたか、検診医に伝えると良いでしょう。

    これまで通りの授乳を継続されて、しこりの経過を注意していただくのが良いかと思います。

  • 母乳を直接飲む時のお口の動きは、顔まわりの筋肉や舌の基礎的なトレーニングになります。そのためお子さんの将来の綺麗な歯ならびのために出来ることの一つとして、できる限り母乳で育てることがおすすめです。

    将来的に歯ならびが悪くなってしまう原因は成長過程における他の要因も影響するため、母乳をあげることだけが全てではありません。

    ですが、母乳育児を通じて舌や顔まわりの筋肉の基礎ができると赤ちゃん特有の小さい顎から離乳食を食べやすい大きい顎に成長しやすくなります。顎や口周りの筋肉がしっかり発達すると、上手に咀嚼して食べ物を食べること、口を閉じて鼻で呼吸することなど上手な食べ方やお口の使い方に繋がります。すると将来的にそれが顎やお顔の成長につながり、歯並びが良くなる方向へ向かいやすくなります。

    歯並びには母乳の飲み方以外にも離乳食の食べ方、食べるときの姿勢や、身体の発達、生活環境、全てが影響します。

    お子さんの綺麗で健康な口元を作る第一歩として、ぜひ母乳育児をスタートしましょう!

  • 2人目のお子様のご妊娠おめでとうございます。

    喜びの反面、10か月のお子様の母乳育児を続けるべきかどうか悩まれているのですね。

    お母様の妊娠経過はいかがでしょうか?出血や腹痛、つわりなどの症状はいかがですか?

    妊娠初期の授乳に関しては子宮収縮を起こしにくいということが分かっています。そのため妊娠したらただちに授乳を中止する必要はないと考えられています。また、妊娠後期頃には、意識して断乳しなくても60〜70%のケースが自然に卒乳していくいうデーターもあります。

    その一方で、妊娠後期になると授乳により子宮収縮を起こすことも分かっていますので、もし上のお子さんの時に早産のリスクがあったり、子宮収縮を強く感じるようになる場合は、タイミングをみて断乳もご検討いただくのがよいかもしれません。

    10か月のお子様は母乳をよく飲み、離乳食も少しづつ進んできている頃でしょうか?

    妊娠すると母乳の出が悪くなったり、お母様も乳首が硬くなり授乳の際に痛みを感じる場合があります。お子様の体調や離乳食の進み具合がよいようであれば、お母様のつわりが落ち着き安定期に入られた頃に、徐々に母乳をやめていくことを考えてみられてもよいかもしれません。

    もし、下腹部痛や出血があるなど早産の兆候があったり安静が必要な場合には、ご家族に協力してもらいながら母乳育児を中止されることをお勧めします。

    お子様も授乳を通して、お母様の体調の変化に気づいていることも多いもの。もし、断乳を決意されたら、お子様とよく話し合い、「おっぱいは終わりだけどお母さんはそばにずっといるからね」と、安心させてあげてください。

    そして、お近くに桶谷式相談室がありましたが、断乳前後の乳房管理と共に、スムーズな断乳のためのアドバイスも受けられるとよいでしょう。

    お子様の母乳育児のご卒業と健やかな妊娠継続を心よりお祈りしております。

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  • ご出産おめでとうございます。 母乳育児はお子さん、お母様にとって大変多くの恩恵があります。 なるべく母乳で育てたいと考えられること自体、とても素晴らしいことだと思います。 1回量ですが、お子さんとお母さんによってとても個人差が大きくはっきりとした目安がありません。 そのため、「お互いに慣れて上達してくるとちょうどよい量や回数に落ち着いてくるもの」と考えるのが適切だと思います。 母乳だけで大丈夫と判断できる目安の体重増加やおしっこ、うんちの量の目安については 「Q.31 体重がなかなか増えないのですがどうしたらいいでしょうか?」を参考にしていただくほか、 個別に桶谷式の相談室でお乳の状況やお子さんの飲み具合を加味して検討していただくことがおすすめです。  母乳を増やしたい方でミルクの補足をする場合には、以下の3点がポイントです。 「Q4.母乳だけで育てていますが、検診で体重の増えが悪いのでミルクを足すように言われました。ミルクの足し方を教えてください。」もぜひご参照ください。 ①母乳を飲んだ後に補足すること ②ミルクを飲んだ後でも2.5~3時間後に母乳を飲めるように補足すること ③ミルクの缶に書いてある量を基準にしないこと ミルクは量の調整が容易ですので、赤ちゃんが飲めるようになればある程度まとまった量を1回で飲んでもらうことが可能になります。 一方で、母乳は赤ちゃんが飲むと作られる受注生産制なので、特に初めは1回にまとまった量を飲めないという特徴があります。出産直後、お子さんは飲み方を練習していく時期で、お母さんも身体を休めながらも母乳を増やしていく時期です。 お子さんやお母様の状況によって、1回量も、授乳の回数も大きく変わるほか、この時期は同じ親子の同じ日の授乳だとしても、飲める量に非常にムラがあるのが特徴です。例えば母乳だけで足りているが1〜2時間おきに授乳している、という場合も稀ではありません。 産後すぐの時期は特に、母乳が増えやすい時期です。 母乳は赤ちゃんが吸ってくれる刺激でホルモンが出て分泌が促されます。 張っていても張っていなくても、赤ちゃんが吸ってくれる刺激でその場で母乳が作られ、増えていきます。 また、お子さんの方も特に小さい時期は、満腹を自覚しにくく、「お腹がすいた」以外にも「抱っこしてほしい」「吸わせてほしい」「眠たい」などいろんな理由でお母さんを呼びます。その時にまずは、お乳を吸ってもらうと赤ちゃんは安心し、母乳も増えていきます。 産後すぐのお母さんは特に、疲れが溜まっていて毎日が精一杯です。 同時に命懸けで出産されたとても大事な子であるが故に、「ちゃんと育てなきゃいけない」という責任も感じて心も張り詰めているものです。 そのため「何g飲める」「何g増える」など、ついつい目に見える安心感が欲しくなってしまうものです。 一方、赤ちゃんはその瞬間を生きていますので、「3時間持つように1回でしっかり飲ませてほしい」ということは言っていないように思います。 それよりも、「呼んだらいつでも飲ませてもらえる」「自分の要求に一生懸命対応してくれようとしている」という安心感が信頼につながり、「落ち着いてしっかり飲める」「満足できる」ということに繋がっていくものと思います。 あえて母乳育児のデメリットを挙げるとするなら、「目に見えないことが多い」ことかもしれません。 最初は「楽」「手軽」というメリットも感じにくく、「こんなはずじゃなかった」と思ってしまうこともあります。 初めは不安も付きものですが、続けていくことでいつの間にか楽になって、赤ちゃんとの意思疎通も図れるようになってきます。その時に初めて、「頑張ってよかったなぁ」と感じられる方も多いのかもしれません。 ぜひ、お一人で悩まずにお近くの相談室にご相談くださいね!