桶谷式母乳育児Q&A(よくあるご質問と回答)For your help

お問い合わせの多いお悩みをご紹介します。
個人個人で違うことも多くあります。
困ったことや解決できないことはお近くの相談室で来室の上、おっぱいの状態、赤ちゃんの状態、授乳の状態をみてもらい、ご相談ください。

  • 予防接種:現在行なわれている予防接種の中で、授乳中のお母さんが接種したときに授乳を避けなければならないものはないとされています。お母さんの血液を調べれば、麻疹、水ぼうそう、風疹などの病気に対する免疫があるかどうかを確認することができますし、感染を防ぐだけの十分な免疫がないときは、予防接種を受けることで、お母さん自身への感染を防ぎ、感染から赤ちゃんを守ることが出来ます。

    歯科治療:歯科で使用する局所麻酔は、授乳によって赤ちゃんに影響は、出ないと考えられています。抗生物質や痛み止めも授乳に影響ないものを処方してもらえば、虫歯の治療も問題ありません。

    レントゲン撮影:胸部X線やマンモグラフィの乳腺に対する被ばく量は、授乳を続けるのに影響が少ないですが、蓄積すると乳がんのリスクが高まる可能性があることも分かってきました。胃のレントゲン検査に、使用するバリウムもの医薬品添付文書に24時間授乳を控えるようあり、授乳を控えるように言われることがありますが、実際にバリウムはお母さんの体に吸収されないため母乳中には、出ないと考えられているので、検査後も心配せず授乳をしても構いません。

  • A.はい、授乳は継続できます。

    ワクチンの接種が母乳育児や赤ちゃんに影響するのではないかとご心配なのですね。

    厚生労働省からの情報によれば、日本で承認されている新型コロナワクチンが妊娠、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすという報告はありません。

    mRNAワクチンの成分そのものは乳腺の組織や母乳に出てこないと考えられています。

    授乳中にmRNAワクチンを受けた方の母乳中に新型コロナウイルスに対する抗体が確認されています。こうした抗体が、授乳中の子どもを感染から守る効果があることが期待されています。

    もし、接種後発熱した場合には、早めに解熱剤を服用することが推奨されています。

    授乳中の場合、アセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェン、ロキソプロフェン等)ともに安全に使用できると考えられています。

    引用・参考

    厚生労働省

    新型コロナワクチンQ&A

    https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0027.html

    日本産婦人科学会

    妊産婦の皆さまへ新型コロナウイルスワクチンについて(第2報)

    http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210814_COVID19_02.pdf

    国立成育医療センター

    妊娠・授乳中の新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種について

    https://www.ncchd.go.jp/kusuri/covid19_vaccine.html

  • A:ワクチン接種の後の副反応について。どのような反応がでるかとご心配されているのですね。

    症状には個人差がありますが、育児中や授乳中でこのような副反応が出ることは、負担が大きいのも事実です。
    そのため、あらかじめ次のような対策をすることをお勧めします。
     1.サポートの受けられる日に接種

    同居家族で新型コロナワクチンの接種をする時には接種日をずらす。おおむね1週間くらいずらしたほうがよいでしょう。接種翌日より、家族やお友達サポートをできるような日程でワクチン接種予約するといいでしょう。

    2 接種前は、過労を避けて体調を整え、睡眠・栄養バランスの良い食事(Q13を参考)を取りましょう。

    3乳房の張り・熱感・痛み

    発熱にともない、乳房の張り、熱感・痛みが起こる場合も。乳房の熱感・痛みがあるときは、乳房全体を冷やす湿布を行うのも効果があります。

    副反応の影響を心配して、授乳を急に中断することは(Q6、7を参考)

    乳腺炎予防のためも、できるだけ授乳は継続しましょう。ワクチンと授乳に関してはQ&A

  • A.前編からの続き

    4 発熱・頭痛

    発熱や痛みに対しては、授乳中でも解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェン等)などが服用できると言われています。また、発熱時には、水分を十分に摂取することをお勧めします。


    5
    腕の腫れ・かゆみ・痛み

    接種した腕のかゆみや痛み、腫れや熱感、赤みには、冷やすと楽になるようです。市販の抗ヒスタミン剤やステロイドの外用薬(軟膏等)の使用は、授乳中も可能で症状が軽くなります。


    6
    受診の目安

    症状が強かったり、高熱が長引くなどがあれば、医療機関等への受診や相談をご検討ください。また、授乳に関して不安のある場合は、お近くの桶谷式母乳相談室にご相談ください。
    授乳が困難な場合は、搾乳しておきましょう。また、授乳に関してお母さんの体調が優れない時や授乳を数日お休みした後は一時的に母乳の分泌量が減ることもありますが、ほとんどの場合は体調の回復後に、頻回授乳を行うことで、母乳の出も復活します。

    7 最後に

    ワクチンは高い発症予防効果が確認されていますが、その効果は100%ではありません。また、ウイルスの変異による影響もありえます。ワクチンを接種した後も、マスクの着用など、感染予防対策の継続をお勧めします。

    https://www.mhlw.go.jp/content/000830259.pdf

  • 授乳中に新型コロナワクチンを接種した後、脇にしこりができたので、乳がんなのではないかと心配しておられるのですね。

    厚労省のサイトによると、ワクチン接種後、2%の方に接種した側の首や腋窩(わきの)リンパが腫れるという副作用があるようです。

    時間の経過とともに自然に治ると言われています。

    日本乳癌検診学会によると、乳がん検診はワクチン接種前に受けるか、ワクチン2回目接種後6-10週間あけると良いと言っていますし、アメリカのブレスト・イメージング学会は4-6週間あけることが望ましいとしています。

    ワクチン接種後に検診を受ける場合は、リンパ節が腫れている原因について誤った判定がなされないよう、いつ、どちらの腕にワクチン接種を受けたか、検診医に伝えると良いでしょう。

    これまで通りの授乳を継続されて、しこりの経過を注意していただくのが良いかと思います。